政府の「成長力底上げ戦略(基本構想)」において、「中小企業底上げ戦略」の一環として「最低賃金の周知徹底」が盛り込まれ、「最低賃金遵守のための事業所に対する指導の強化」及び「最低賃金の国民への広報の推進」が直ちに取り組むべき施策とされています。
これを受けて厚生労働省では、6月に全国一斉に最低賃金の履行確保を主眼とする監督を実施し、今般その結果を取りまとめた文書が公表されました。
1 平成19年6月の一斉監督の結果について
(1)平成19年6月に全国一斉に監督を実施したのは11,120事業場であり、そのうち最低賃金法第5条違反(最低賃金額以上の賃金を支払っていない違反)のあった事業場は707事業場で、違反率は6.4%であった。このうち、地域別最低賃金適用事業場における違反率は6.2%、産業別最低賃金適用事業場における違反率は10.4%であった。
地域別最低賃金適用事業場のうち違反が多くみられた業種は、衣服その他の繊維製品製造業(違反事業場数110、監督実施事業場に対する違反率7.7%)、クリーニング業(同86、9.3%)、食料品製造業(同86、7.1%)、小売業(同72、4.3%)、繊維工業(同43、7.1%)、飲食店(同43、3.9%)、理美容業(同38、5.4%)、ハイヤー・タクシー業(同18、16.8%)などであった。(2)監督実施事業場において最低賃金額未満の賃金しか支払を受けていない労働者数は2,051人であり、監督実施事業場の労働者数に占める割合は1.2%であった。このうち、女性が1,384人(67.5%)、パート・アルバイトが1,168人(56.9%)、障害者が284人(13.8%)、外国人が150人(7.3%)となっている。
2 平成19年1月?3月に監督指導を実施した最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果
(1)平成19年1月?3月に監督指導を実施したのは9,102事業場であり、そのうち最低賃金法第5条違反のあった事業場は666事業場で、違反率は7.3%であった。このうち地域別最低賃金適用事業場における違反率は7.0%、産業別最低賃金適用事業場における違反率は11.3%であった。
(2)監督実施事業場において最低賃金額未満の賃金しか支払を受けていない労働者数は2,150人であり、監督実施事業場の労働者数に占める割合は1.7%であった。3 厚生労働省では、今後とも最低賃金遵守のための事業所に対する指導の強化に努め、最低賃金の周知徹底を図ることとしている。
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