(社)日本経済団体連合会は、2010 年3 月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」のまとめたものを公開しました。
《今年の初任給調査結果のポイント》
1. 大学卒事務系の初任給額は207,445 円であり、上昇率は0.13%とほぼ横ばい
2. 大学卒事務系では、「3,000 人未満」規模の初任給が、「3,000 人以上」規模の初任給を上回っている
3. 前年の初任給を据え置いた企業の割合は9割を超え(90.9%)、過去最高だった2003 年(91.4%)とほぼ同水準?.調査要領
調査目的:新規学卒者の初任給の実態と動向を把握し、今後の初任給対策の参考とするために1952 年より実施
調査対象:日本経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,915 社
調査時期:2010 年6月14 日?7月5日
回答状況:集計企業数496 社(有効回答率25.9%)
(製造業52.6%、非製造業47.4% 従業員500 人以上規模77.0%)?.調査結果の概要
1. 初任給水準―全産業―【図表1・2】
大学卒事務系の初任給額は207,445 円となり、上昇率は0.13%であった。
初任給の上昇率は、大学卒事務系以外のすべての学歴区分で0.1%を下回るなど、ほぼ横ばいとなっている。
上昇率の推移をみると、大学院(修士)卒技術系と大学卒事務系の上昇率はわずかながら3年ぶりに前年を上回ったが、短大卒事務系と高校卒事務系、高校卒現業系は2年連続で前年の上昇率を下回った。2.産業別・規模別にみた初任給
(1)産業別
産業別初任給(大学卒事務系)をみると、上位は石油・石炭製品、新聞・出版・印刷の順、下位は金融・保険業、土木建設業の順となっている。なお、上位の2産業は2006 年から変わっていない。(2)規模別
大学卒(事務系)と高校卒(現業系)では「100?299 人」規模が最も高くなっているが、大学院(修士)卒(技術系)では「500?999 人」規模が、短大卒(事務系)では「300?499 人」規模が、高校卒(事務系)では「100 人未満」規模が最も高くなっている。
また、学歴別の「3,000 人以上」規模の初任給を100 として比較すると、大学卒(事務系)において3,000 人未満の全規模で100 を上回っているほか、短大卒(事務系)と高校卒(事務系、現業系)においても100 を超えているところが多くなっている。大学院(修士)卒
(事務系) (事務系) (事務系) (現業系)
大学卒短大卒高校卒高校卒
3. 初任給の決定状況
前年の初任給を据え置いた(凍結した)企業の割合は、2年連続で上昇して9割を超えており(90.9%)、過去最高であった2003 年(91.4%)とほぼ同じ水準に達している。また、前年より初任給を引き上げた企業は8.3%、引き下げた企業は0.9%となっている。